Big Dig 崩落事故
マサチューセッツ州のボストン地下には、Big Dig と呼ばれる地下ハイウェイ網が構築されている。Big Dig プロジェクトの正式名称はCentral Artery/Tunnel Project というんだそうだ。
このプロジェクトはアメリカ史上最も高額なハイウェイ建設プロジェクトだった。1985年に25億ドルの予算が計上されて始まったこのプロジェクトは、2003年のようやく完成。なんと合計146億ドルもの巨額が投じられた。建設途中には度重なる水漏れが発生したり、不正がらみの逮捕劇もあり、建設は大幅に遅れた。
それでも出来てしまえば人々の通勤時間は大幅に縮まり、ボストンの交通事情を大幅に改善した。Big Dig は新たなボストンのシンボルになりつつあるかと思われた。
Big Dig の写真は下記のサイトで見ることができる。
http://www.masspike.com/bigdig/background/twt.html
またこのトンネルについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ:
http://en.wikipedia.org/wiki/Big_Dig
ところがほんの1週間ほど前の7月12日にこのトンネルの天井が崩落し、下を走っていた車が押しつぶされ、女性が一名死亡、車を運転していたご主人も怪我を負った。なんと13トンもの重さのコンクリートのパネルが落下したのだ。
マサチューセッツ州はトンネルを閉鎖して調査を開始した。その結果このコンクリートのパネルを止めていたボルトが緩んで崩落が引き起こしたことが判明したのだが、その他にもボルトが緩んでいる所が60カ所ほど発見された。その他にも天井とパネルを支える金属のプレートの間にも隙間が発見されるなどして、ボストン市民を恐怖に陥れている。
1週間ほどの調査の後、トンネルの大部分は安全ということで再び解放されたが、おびえた市民たちはトンネルの使用を避け、地上路を使用している。そのためボストン市内は未曾有の渋滞に見舞われている。
東京でもあまり告知されていないのだが、ものすごいトンネル計画があるのだ。なんでも40メートル以下の大深度に環状線を造るというものすごい計画らしい。東京外かく環状道路調査事務所というところのホームページが分かりやすい。
http://www.ktr.mlit.go.jp/gaikan/index.html
ところが... 予算の話がほどんとどこにもないのだ。工事の予算はどこにもないのだが調査費用の予算は開示されている:
http://www.ktr.mlit.go.jp/gaikan/ir/ir_f02.html
見てみると調査だけで結構ものすごい予算を使っているわけだが、そもそもこんなも造る必要があるのかね?ボストンの二の前になるイヤな予感がかなりする。
ちなみにこのボストンのトンネル崩落事故、アメリカではかなりの規模で報道されたのに日本ではまったく報道されていないようです。どうなっているんでしょうかね?