町のネズミ、田舎のネズミ

子供の頃に、町のネズミ、田舎のネズミ、とかなんとかいう本を読んだことがあった。田舎のネズミが都会に憧れてきてみるとたいしていい所じゃなかった、というような話だった。

さて、実際のところ、清潔な実験室で育ったネズミと野生のネズミとでは免疫系の強さには非常な差があることが、Allergy & Asthma Care of Long Island のディレクタ、 Dr. Stanley Goldstein の研究で明らかになったそうだ。

この研究によれば、幼年期の成長過程に様々な雑菌に晒されることが、成長後の病原菌に対する耐性に大きな影響があるそうだ。人間の場合でも、子供の頃に2種類以上のペットを飼っていたかどうかで、アレルギーなどの疾病の発生率に有為な差が認められるという。

この実験結果もまだまだ突っ込みどころがあるのだが、それでも実に興味深い。先進国でなぜアレルギー等の疾病が多く、後進国ではみられないのか、といったことが合理的に説明できるそうだ。

散らかっている家に住んでいれば庭が雑草だらけでもたいして気にならないが、整然とした家に住んでいると、誰かが家の空き缶一つ捨てただけでも憎悪が湧いてきて過剰反応してしまう。それと同じで、要するに雑菌に塗れていれば、花粉なんか気にならないよ、といったことらしい。

日本やアメリカでおかしな事件が多いのも、町が整いすぎているせいかもしれない、とも思ったりした。